プリスクールと英会話、どっち?
プリスクールと週1回の英会話の違い|子どもの英語教育にはどっち?

「子どもに英語を身につけてほしいけれど、週1回の英会話で十分?」
「プリスクールに通うのと、英会話教室に通うのでは何が違うの?」
幼児期の英語教育を考えるとき、このように悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
週1回の英会話にも、全日制プリスクールにも、それぞれメリットがあります。
大きな違いは、単に「英語を習う時間」だけではありません。
「英語を学ぶ」のか、それとも「英語を使って生活し、学ぶ」のか。
今回は、英語に触れる時間や言語習得に関する研究も交えながら、週1回の英会話と全日制プリスクールの違いについて考えてみます。
週1回の英会話とプリスクールでは、英語に触れる時間が大きく違う

まず大きく違うのが、英語に触れる時間です。
アメリカンスクールの週1回の英会話レッスンは、年間40週行っています。
例えば、週1回50分の英会話レッスンの場合、
50分 × 年40回 = 年間約33時間
英語のレッスンを受けることになります。
一方、全日制プリスクールは年間約38週。週5日・1日約5.5時間をオールイングリッシュの環境で過ごすため、
5.5時間 × 週5日 × 年38週 = 年間約1,045時間
になります。
単純に時間だけを比較すると、年間で約31倍の違いがあります。
もちろん、英語に触れる時間が約31倍だからといって、英語力が約31倍伸びるという意味ではありません。
大切なのは、その時間の中でどのように英語を聞き、どのように英語を使うかです。
英語に触れる「量」は、なぜ大切?

子どもの言語習得では、その言語に触れる量も重要な要素の一つです。
バイリンガルの幼児を調べた研究では、それぞれの言語にどれくらい触れているかと、その言語の語彙や文法の発達に関連があることが報告されています。
つまり、英語を身につけていくためには、週に一度英語を学ぶだけではなく、日常の中で繰り返し英語を聞き、使う機会を作ることも大切だと考えられます。
ただし、「英語に触れる時間が長ければ長いほどいい」と単純に考えることはできません。
言語習得には、量だけではなく、その中身や人との関わり方も重要だからです。
「英語を学ぶ」と「英語を使って過ごす」の違い

週1回の英会話では、決められたレッスン時間の中で、英単語や表現、会話などを学びます。
一方、全日制プリスクールでは、英語は「勉強する科目」だけではありません。
先生に、
「これを使いたい」
「手伝ってほしい」
「どうして?」
と伝えたり、友達と遊んだり、ランチを食べたり、活動に参加したりします。
子どもにとって英語が、何かをするため、誰かに伝えるためのことばになります。
この「英語を使う必要がある環境」が、週1回の英会話とプリスクールの大きな違いの一つです。
プリスクールでは「英語で何かを学ぶ」

プリスクールでは、英語そのものだけを学ぶわけではありません。
Science、Art、Music、PE、自然、文化など、さまざまなテーマについて英語を使って学びます。
例えばScienceの時間なら、
「どうなると思う?」
「なぜこうなったの?」
「昨日と何が違う?」
など、活動を通して先生や友達とやり取りします。
英語を覚えてから使うのではなく、何かを知りたい、やってみたい、伝えたいという経験の中で英語を使っていくのがプリスクールの特徴です。
大切なのは「時間」だけではなく、英語環境の質

言語発達の研究では、子どもが聞く言葉の量だけではなく「質」も重要であることが分かっています。
幼児期の子どもを追跡した研究では、単純にたくさん言葉を聞くことだけでなく、多様な語彙や、より豊かな表現に触れることが、その後の語彙力と関連していたことが報告されています。
別の研究でも、言葉の意味を理解しやすい状況や、人とのやり取りを伴った質の高いインプットが、その後の語彙力と関連していました。
そのため、
「英語を何時間聞いたか」だけを見るのではなく、
先生や友達との会話、絵本、遊び、Science、Art、Musicなど、さまざまな状況で英語を聞き、理解し、自分でも使う経験があるかを見ることが大切です。
では、週1回の英会話では意味がない?

もちろん、そんなことはありません。
週1回の英会話には、
現在通っている幼稚園や保育園を変える必要がないことや、気軽に英語教育を始めやすいことなどのメリットがあります。
ただし、週1回50分の場合、スクールで英語に触れる時間は年間約33時間です。
そのため、英語力をしっかり伸ばしていきたい場合には、レッスンだけに任せるのではなく、家庭でも継続的に英語に触れる環境を作ることが大切です。
英語の絵本を読む、英語で簡単な会話をする、歌や音声を利用するなど、日常生活の中に英語を取り入れることで、スクール以外での英語時間を増やすことができます。
つまり、
週1回の英会話+家庭での継続的な英語環境
という考え方が大切になります。
「英語をたくさん聞く」だけでいい?

ここでもう一つ考えたいのが、英語の「聞かせ方」です。
「英語をたくさん聞くことが大切なら、英語の動画や音声を長時間流しておけばいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、幼児の言語学習では、人とのやり取りも重要であることを示す有名な研究があります。
Kuhlらの研究では、9か月の乳児に中国語を聞かせたところ、実際の人と対面して中国語に触れたグループでは音の学習が見られましたが、同じ内容を映像や音声だけで提示したグループでは同様の結果が見られませんでした。
これは乳児を対象とした特定の実験なので、「動画では英語を学べない」という意味ではありません。
実際、米国小児科学会も、質の高い教育コンテンツには学習を助ける可能性がある一方、幼い子どもの場合は、大人と一緒に見たり質問したりするなどの双方向のやり取りが学習を助けると説明しています。
つまり、
聞く → 理解する → 自分から伝える → 相手から反応が返ってくる
というコミュニケーションそのものが、子どもにとって大切な言語経験になります。
家庭で英語環境を作る?それともプリスクールで作る?

週1回の英会話とプリスクールを比較するとき、もう一つ考えておきたいのが、「英語環境をどこで作るか」です。
週1回の英会話を選ぶ場合、残りの日にどれくらい英語に触れられるかは、家庭での取り組みによって大きく変わります。
一方、全日制プリスクールの場合は、登園している時間そのものが英語環境になります。
どちらが良い・悪いということではありません。
家庭で継続的に英語環境を作れるのか、それともスクールで日常的な英語環境を確保したいのか。
これも、英語教育を選ぶときの大切なポイントです。
プリスクールと週1回の英会話、どちらがいい?
どちらが適しているかは、お子さまの性格やご家庭の目標によって異なります。
現在の幼稚園や保育園に通いながら英語を始めたい場合や、ご家庭でも積極的に英語に取り組める場合は、週1回の英会話も一つの選択肢です。
一方、
「幼児期から日常的に英語を使う環境を作りたい」
「英語を勉強としてではなく、生活や学びの中で使ってほしい」
というご家庭には、全日制プリスクールという選択肢があります。
大切なのは、レッスンの回数だけではなく、子どもが1週間、1年間を通してどのような英語環境で過ごすことになるのかを考えることです。
プリスクールは「英語の時間」だけで選ばない

ここまで英語に触れる時間について比較してきましたが、プリスクール選びで見るべきなのは英語の時間だけではありません。
先生が一人ひとりの子どもとしっかり関われるか。
子ども自身が英語を話す機会があるか。
どのような活動をしているか。
子どもの「なんで?」「やってみたい!」という気持ちを大切にしているか。
そして何より、お子さまが安心して楽しく過ごせる場所か。
ホームページだけで判断するのではなく、実際のクラスを見学して、子どもたちがどのように英語を使っているかを見ることをおすすめします。
名古屋でプリスクールをお探しの方へ

名古屋市中村区のアメリカンスクールでは、2歳~5歳を対象とした全日制プリスクールを行っています。
週5日のオールイングリッシュ環境の中で、英語そのものを学ぶだけでなく、Science、Art、PE、Musicなど、さまざまなことを英語で学びます。
私たちが大切にしているのは、子どもたちが英語を覚えることだけではありません。
「話したい」
「聞きたい」
「伝えたい」
という気持ちから、自分で英語を使うことです。
実際のプリスクールの雰囲気や子どもたちの様子は、ぜひ説明会や体験でご覧ください。
参考文献
Hoff, E. et al. (2012). Dual language exposure and early bilingual development. Journal of Child Language.
バイリンガル幼児の語彙・文法と言語への接触量についての研究。
Rowe, M. L. (2012). A longitudinal investigation of the role of quantity and quality of child-directed speech in vocabulary development. Child Development, 83(5), 1762–1774.
幼児への言語インプットについて、量だけでなく質とその後の語彙発達との関係を調べた研究。
Kuhl, P. K., Tsao, F.-M., & Liu, H.-M. (2003). Foreign-language experience in infancy: Effects of short-term exposure and social interaction on phonetic learning. Proceedings of the National Academy of Sciences, 100(15), 9096–9101.
外国語の音声学習における、対面での社会的なやり取りの重要性を調べた研究。




